生きたい未来を自分で作れ

2021年05月23日

毎週日曜日の午後九時からTBS系列で「ドラゴン桜」が放送されています。前作から15年後の続編ですが、今作は原作とは違い今の時代を反映したオリジナルの展開となっています。私も毎回リアタイか録画したものを観ており、毎回楽しみにしております。今回の放送では昆虫好きの優しい発達障害の生徒がクローズアップされましたが、桜木先生がその子の特性を見抜き、生徒の好奇心に火をつけ、生徒自身が自分の力で知識を掘り下げていき、その様子をみた周りの人たちが彼を理解していく内容でした。今回の放送を観て、かなり昔の教え子のことを思い出しました。フリースクールを開校する前から家庭教師などで発達障害の子どもたちと係ることが何度かありました。その彼は当時中学生でほとんどの教科がテストでは一桁~10点台のLD傾向の生徒でした。また、勉強できないことで学校で一部の人からいじめも受けていました。彼自身は点数を上げたい、高校に進学したいという気持ちは持っていましたが、なかなか学習面で成果が出ない上に、いじめなどもあり、それらのストレスで自分自身や家族に当たる日々も多く、自己肯定感もかなり低い状態でした。そんな彼でしたが、一つだけのめりこめるものがありました。それは魚、特にアロワナなどの大型熱帯魚の飼育がしたいという夢があり、魚や熱帯魚などの話をしている時の彼はとてもいきいきしていました。彼は英語も苦手でしたが、図鑑の英語で書かれている魚の学術名はのめりこんで覚えていきました。魚など好きな分野を中心に取り組むことで生物関係の理解度も上がり自信もついてきました。その結果、生物分野で平均点以上を取ることができ、本人もご家族もとても喜んでいました。また、一緒に水族館に行くことがあったのですが、まるでさかなクンのようなテンションでいろんな魚のことを私自身教えてもらいました。その時のキラキラした彼の目の輝きは今でも忘れることはありません。そんな彼も何とか無事に高校進学し、それからはお会いしていないのですが、今は一人の社会人として好きな熱帯魚と共に生きているのではないかと思います。

~興味分野を施して、何らかの対象に対する驚きと感動を体験する機会を与え、好奇心に火をつける。いったん熱中してしまえば、子どもはその分野についての知識をみずから掘り下げていくものです。~

これからの時代は「ライスワーク」に終始する生き方ではなく「ライフワーク」のある生き方が求められると思います。我々大人のやることは子どもたちに「驚きと感動の種をまく」ことではないでしょうか。

子どもたちが生きたい未来を自分で作れるように‼

「ライスワーク」…ごはんを食べるためだけに働くこと。

「ライフワーク」…好きなことを突き詰めて、それを仕事にし、世の中に知見を広めて社会に貢献する生き方。