令和4年度適応指導教室・訪問指導合同研修会

2022年09月13日

令和4年度適応指導教室・訪問指導合同研修会に参加してきました。全県上越地区、中越地区、下越地区、佐渡地区の4つの会場に分かれて開催され、三条市は中越地区になりますが、数の関係などで下越地区の新潟県立教育センターに参加してきました。下越会場には三条市以外に村上市、新発田市、五泉市、阿賀野市、胎内市、阿賀町、聖篭町の教育委員会、学校関係の方が参加され、民間団体としては三条市の「フリースクールヒュッゲ」と村上市の居学処「水野谷塾」の2団体のみで下越地区だけで33名参加されていました。

最初に「新潟県における不登校児童生徒の現状と課題」についてのお話しがありました。

ここ数年の新潟県の不登校児童生徒数は全国と同様増加傾向にあり、特にH29~30、R1~2に急増しています。H29~30の急増の要因の一つとして「教育機会確保法」が設立されたことで学校以外の多様な学びの機会や場を得やすくなったことがあげられました。また、R1~2は急増の要因はコロナ禍による環境変化だとお話しされてました。

主な不登校の要因についてのお話しもありましたが、教職員側からは「親子のかかわり」「不規則な生活」「無気力、不安」、不登校児童生徒の声からは「先生のこと」「身体の不調」などがあげられており、両者の認識の差異についてもお話しされていました。また、情報共有のツールの一つとして「児童生徒理解・支援シート」を文科省が作成したものがあるのですが、実際の利用率が3割程しかなく、有効に利用されていないこともわかりました。また、適応指導教室の設置及び活動状況、訪問指導の実施及び活動状況についての説明もされました。

不登校児童生徒への支援の在り方については「指導要録上出席扱い」することができる要件の話しもありました。学校以外の場(全国)として教育支援センター(適応指導教室)、民間団体、民間施設(フリースクール等)の「出席扱い」となった割合は前者が74.7%、後者が44.4%でまだまだ十分ではないこともわかりました。多様な教育機会の確保の例として「フリースクールとの連携」「ICT等の活用」があげられてました。

学校、市町村教育委員会、フリースクール等の民間団体、民間施設との連携を強くし、それぞれの情報を共有し、家庭との情報共有などにもフィードバックできるような環境整備を進めていく必要性があるとお話しされてました。

今後の不登校児童生徒への学習機会と支援の在り方についてでは
登校という結果のみを目標とせず社会的自立を図るという「不登校」の考え方をもとに今後の重点的に実施すべき施策の方向性を4つあげてました。

①誰一人取り残さない学校づくり
②不登校傾向のある児童生徒に関する支援ニーズの早期把握
③不登校児童生徒の多様な教育機会の確保
④不登校児童生徒支援の社会的自立を目指した中長期的支援

次に「ICT等を活用した不登校児童生徒への支援について」をテーマにグループごとに情報共有しました。

私のグループは三条市3名、村上市1名、阿賀野市2名の学校関係、教育委員会、フリースクール(私)のメンバーでした。ICTをテーマにした話しでしたが、未だにICT環境を取り入れていない学校があることが分かりました。今後、ICT環境を取り入れていくとのことでしたが、ICTを十分に活用できていない現状であることを知ることができました。そもそもICT以前に学校内での情報共有、学校と家庭との情報共有が十分でない状況もあり、それも改善していかなければならない課題としてあがりました。

最後に「不登校生徒への支援」について事例検討を通し、先ほどのグループごとに話をしました。それぞれの立場の認識の違いを理解することが出来ただけでなく、共通認識を持つことができたとても有意義なグループワークでした。学校、家庭、フリースクールなどとの「早めの情報共有」が出来る体制づくり、「本人と親御さんの気持ちに寄り添い、本人と親御さんの気持ちに耳を傾けることの大切さ」を共通認識としてもつことができました。また、新しい先生方と情報共有やご縁を頂くことができたのも良かったです。

それと毎年、思ったり、感じたりすることですが、この研修会には笑いや楽しむ要素がなく、まさに学校の先生たちの集まりだなと思いました(笑)