合同研修会~官民連携に向けて~

2023年06月22日

新潟県教育委員会主催の令和5年度適応指導教室・訪問指導合同研修会に参加してきました。この合同研修会は「新潟県における不登校支援の現状と課題」「不登校児童生徒への支援及び関係機関との連携について」などについて情報共有し、関係機関と連携を強化し、不登校に関する課題について官民連携を進めて取り組んでいく研修会で毎年1回行われています(今年から2回になるようです。)上越地区、中越地区、下越地区、佐渡地区の4会場で同時開催されましたが、私は中越会場に参加してきました。中越会場での民間の参加はフリースクールヒュッゲと学びスペースあうるの森だけでした。

合同研修会には毎年参加していますが、官民連携といってもまだまだ民間の参加が少なく(残念ながら年々減少傾向にあります...)、今回も学校ベースの研修会でした。それでも学校現場との情報共有、連携を進めていき、フリースクールといった居場所の存在を知っていただく貴重な機会となりました。

新潟県の不登校の現状は不登校児童生徒数は年々増加傾向にあり、令和1年2,780人、令和2年3,112人、令和3年3,854人とここ最近は急増しています。三条市は令和3年で150人くらいだったのが、令和4年(速報値)で200人を超え、三条市もかなり急増している現状でした。ここ最近の不登校児童生徒数急増の背景にはコロナ禍の影響があると研修会で話がありましたが、不登校児童生徒数の増加はコロナ禍以前からあり、コロナ禍だけが問題ではないと私自身考えております。また、SC、SSWの活用が全国に比べて極めて低い現状であることも分かりました。

不登校支援に関する課題の一つとしてマンパワーの問題も挙げられていました。学校に行けない子、行かない子、行きづらい子のための「居場所」を提供するだけではなく、「居場所となりえる人」の存在の必要性を私自身、フリースクールという居場所提供を通して実感しています。現実問題、マンパワーに対する人件費などの予算の問題など様々な課題がありますが、官民連携を進めると共に、民間に対する公的支援ももっと進めて欲しいですね。

研修会で不登校支援において「学校」の思い、「保護者」の思いについて語られる場面がありましたが、そこに「本人」の思いが欠落していたのが私自身気になりました。こういう研修会に当事者経験者に参加してもらい、もっと当事者としての思いや考えを共有できる場があった方がいいとも思いました。

研修会の最後の方で民間の立場として参加したフリースクールヒュッゲと学びスペースあうるの森それぞれに研修会に参加された皆さんに向けて話をする機会をいただきました。いろいろと伝えたい思いや考えがありましたが、短い時間の中で皆さんに思いや考えがうまく伝わったかどうかはわかりませんが、今後もこういう機会を通し、思いや考えを伝えていければと思います。

今、不登校支援で直面している課題は学校だけでは対処できるものではなく、官民連携をより一層進めていくと共に学校そのものありかたについても考えていかなければならないと思います。

官民の垣根を越えて、必要な人に必要な支援を届けられるよう今後もフリースクールヒュッゲの活動を続けていきますので、ご理解、ご支援の程宜しくお願い申し上げます。