生きる意味を問われない社会へ

2020年11月24日

先日、放送されたひきこもりをテーマにしたNHKスペシャルドラマ「こもりびと」を観ました。私自身、支援者、当事者の家族という立場としてこのドラマに放送前から興味を持っていました。
かつては「ひきこもり」は若者特有のもの、不登校の延長などと言われてきましたが、2017年の内閣府の調査により「中高年のひきこもり」が61万人もいることが明らかになりました。このドラマは高齢の親が中高年となったひきこもりの当事者と共に社会から孤立してしまう「8050問題」の実態に迫るドラマとして制作されました。
「ひきこもり」に至る要因や背景は人それぞれでありますが、就職氷河期世代まっしぐらの世代としてこのドラマに自分自身を重ね合わせながら観ていました。今はフリースクールとして「不登校」の人たちと係る機会が多いですが、「不登校」も「ひきこもり」も個人の問題ではなく、社会そのものに問題があると常々感じています。
今回のブログのテーマは「生きる意味を問われない社会へ」としましたが、生きている意味や価値を決めるのは自分自身であり、社会や他人が問う必要はないと思います。多様な生き方を認めるといいながら、今の社会は「生きる意味がある=生産性、合理性がある」ことして社会に対しての協調性を求める同調圧が強い感じがします。
世の中がもっと「その人がその人らしくいられればいい」、「生きてさえくれればいい」という空気感になると生きやすくなるのではないかと思います。
ドラマではブルーハーツの曲がたくさん使われましたが、歌詞も曲も同じ世代を生きている自分としてとても共感できるものがたくさんありました。