非常口

2021年09月01日

今日、9月1日はマエストロ小澤征爾の86歳の誕生日でありますが、1923年(大正12年)に関東大震災が起きた日でもあります。10万人近くの犠牲者が出た明治以降最大の地震災害です。10年前にも東日本大震災が起こり、かなり広い範囲で甚大な被害をもたらし、未だに復興半ばです。それ以外にも様々な災害に日本は見舞われていますが、災害時において大切なことの一つに「逃げること」が挙げあられます。特に東日本大震災において津波の被害は甚大であり、「逃げること」の大切さが一つの教訓となりました。
また、9月1日は全国的に夏休みが明け、学校が再開する時期でもあります。夏休みなど長期休暇後に「学校に行きたくない」と学校へ行くことを渋る子どもや不登校の子どもが増えます。それだけでなく、児童、生徒などの子どもたちや若者の自死も増える時期でもあります。フリースクールに通ってる子どもたちはそれぞれいろんな事情や背景があります。夏休みなどの長期休暇明けに限らず、学校へ行けない、行きたくないという思いで苦しんでいる子どもたち、親御さんはたくさんいらっしゃいます。日本人の特徴の一つに「我慢の美学」みたいなものがあり、苦しいことを逃げずに我慢して耐えることが当然である風潮がまだ残っています。しかし、災害(特に津波)が起きているときに災害から逃げずに我慢していたらどうなるでしょうか?そのまま逃げずにいたら待っているのは「死」です。苦しいときには苦しいと他人に助けを求めたり、苦しいことから逃げることは自分の命を守るために必要なことです。
公共施設などいろんな建物で「非常口」のマークを皆さん見たことがある思います。この「非常口」は災害が起きたときに災害から「逃げる」ためのものです。年々、不登校の児童、生徒数が増加しているだけでなく、自殺する児童、生徒の数も増えています。不登校や自殺に至る背景はそれぞれだと思いますが、学校ありきの考えがまだまだ根強く、どんなに苦しくても我慢して学校にいかなければならないといった考えが当事者やその親御さんを苦しめており、最悪、自ら命を絶つ子どもたちも出てきます。そのため学校だけが全てではなく、学校、家庭以外の居場所=「非常口」としてフリースクールなどの居場所が必要であり、自ら命を絶つという選択をするまえに学校、家庭以外の居場所であるフリースクールなどに逃げて欲しいです。
フリースクールヒュッゲはこの9月、「フリースクールヒュッゲ無料開放キャンペーン」を実施し、学校、家庭以外の居場所の無料開放(新規利用者限定)、無料相談をしています。この時期だけではなくフリースクールを利用したくても経済的理由などによりフリースクールを利用できない方も多くいらっしゃいます。誰もが利用したいときに利用できるフリースクールであるために皆様からのご支援、ご協力もお願いしています。将来的には学校、家庭以外の居場所としてフリースクールなどの居場所が子どもたち自ら自由に選択できる社会になって欲しいとも思います。