コミュニケーションはパズル

コミュニケーションはパズル
よく「コミュ力お化けだね」と言われることがあります(笑)。けれど、自分では特別な才能があるとは思っていません。むしろ、コミュニケーションは「パズル」のようなものだと感じています。目の前の人が何を考え、何を感じ、どんな経験をしてきたのか。その人が持つピースと、自分が持つピースを少しずつ重ね合わせながら、一緒に一枚の絵を完成させていく作業です。
フリースクールヒュッゲには、日々さまざまな相談が寄せられます。不登校の子どもたち、保護者の方々、学校関係者、そして時には大人の方からの相談もあります。一人ひとり、悩みも価値観も背景も違います。だからこそ、「こう言えば大丈夫」という正解はありません。相手の言葉だけでなく、表情や空気感、その奥にある想いを感じ取りながら、少しずつピースを探していきます。
振り返ると、これまでの人生で本当にたくさんの経験をさせてもらいました。不登校当事者家族としての経験。支援者として多くの親子と出会ってきた経験。音楽などの趣味を通じて広がった人とのつながり。そして、指揮者として大勢の人の想いを束ね、一つの音楽を創り上げてきた経験。どれも、コミュニケーションそのものを学ぶ時間でした。
特に指揮者という役割は、言葉だけでなく、表情や動き、場の空気を通して人とつながる仕事です。相手を理解し、自分の想いを伝え、みんなで一つの作品を作り上げていく。そのプロセスは、まさにコミュニケーションの本質そのものだったように思います。
また、音楽やアニメ、本、ゲーム、釣りなど、好きなことがたくさんあるおかげで、話題に困ることもあまりありません。子どもたちとも大人とも、それぞれの「好き」を入口に、自然と会話が始まっていきます。
中には「コミュニケーションが苦手」と感じている人もいます。でも、自分はコミュニケーションとは「話が上手いこと」ではないと思っています。大切なのは、相手のピースを探そうとすること。そして、自分のピースも少しずつ差し出してみること。その積み重ねの中で、不思議とバラバラだったピースがつながり始めます。
フリースクールヒュッゲも、そんな場所でありたいと願っています。一人では完成しないパズルを、誰かと一緒にゆっくり組み立てていく場所。人と人とのつながりの中で、「自分はここにいていいんだ」と思える瞬間が、少しずつ増えていくことを願っています。
コミュニケーションはパズル。正解の答えを探すものではなく、一緒に一枚の絵を完成させていく営みなのかもしれません。
