「多様な学び」とは誰のためのものなのか。
先日、新潟県教育委員会主催の「令和8年度 第1回 多様な学びに関する代表者会議兼研修会」に、中越地区会場で参加しました。会場には中越地区の教育委員会の皆さんや各学校の先生方、そしてフリースクールは私たちフリースクールヒュッゲをはじめ、学びスペースあうるの森、フリースクールリベルテ、多様な学びを支える団体も参加していました。
研修ではグループに分かれ、教育委員会や学校の先生方と直接意見を交わす機会がありました。教員不足、増え続ける業務、保護者対応、限られた時間の中で一人ひとりの子どもに向き合おうと努力されている姿勢は、本当に頭が下がる思いでした。一方で、その忙しさや学校という組織の仕組みが、子どもたち一人ひとりに十分向き合う余裕を奪ってしまっている現実も感じました。そして、そのしわ寄せは、学校へ行きづらさを抱えた子どもたちや、その保護者に向かってしまうことがあります。
グループワークや全体の話を通して感じたのは、「多様な学び」という言葉が使われながらも、その中心には依然として学校があり、「学校とのつながりを維持すること」「学校復帰」が前提になっている場面が少なくないということです。今回もSSR(校内教育支援センター)の取り組みが多く紹介されていました。SSRは学校の中に安心できる居場所をつくる大切な取り組みであり、その意義は大きいと思います。しかし、学校という環境そのものが苦しくなってしまった子どもにとっては、フリースクールなどの学校の外にある学びの場も同じように尊重されるべき選択肢です。
私たちヒュッゲには、「学校へ戻れたからよかった」のではなく、「笑顔が戻った」「安心して眠れるようになった」「自分はここにいていいと思えるようになった」という変化を見せてくれる子どもたちがたくさんいます。私たちが目指しているのは、学校復帰ではなく、その子自身の人生が前を向いて進み始めることです。
今回のグループワークでは、学校の先生方や教育委員会の皆さんも、子どもたちのことを真剣に考えていることは強く伝わってきました。だからこそ、学校だけで抱え込むのではなく、フリースクールや地域の支援機関ともっと対等な立場で連携し、それぞれの強みを生かせる関係が築かれていけば、多様な学びはさらに広がっていくはずです。
「学校に戻すこと」がゴールではなく、「その子が安心して、自分らしく生きられること」がゴール。その視点を学校、教育委員会、フリースクール、そして地域全体で共有できたとき、本当の意味で「多様な学び」が実現するのではないでしょうか。
フリースクールヒュッゲはこれからも、一人ひとりの子どもたちが「生きていてよかった」と思える居場所であり続けたいと思います。そして、学校とも教育委員会とも対話を重ねながら、子どもたちにとって本当に必要な学びの環境づくりに取り組んでいきます。

